ひな祭り 生活

あなたは知ってる?ひな祭りの食事にはたくさん意味が込められている

ひな祭りには特別な食事をたくさん楽しめますね。

ちらし寿司にひし餅、白酒や甘酒。

でも、それらをひな祭りに食す理由は知っていますでしょうか?

今回はそんな、ひな祭りの食事に込められた意味や、

由来についての紹介です。

目次

ちらし寿司の具にはたくさんの縁起物がある

ひな祭りの食事と言えば、

まず“ちらし寿司”を思い浮かべる方は多いのでは?

昔から祝日や祭日に食べる行事食として、

日本では定番の一品ですね。

ちらし寿司が行事食とされるようになった経緯は、

江戸時代まで遡ります。

昔はおかずと汁物が一品ずつの一汁一菜が良しとされ、

「一汁一菜令」というものが命じられたこともありました。

また、藩によっては「おかず禁止令」を出し、

米と汁物のみの食事を徹底したこともあるそうです。

そんな中、せめて祭日や祝日にはそれらしい食事を取りたいと、

人々の間で考えられたのがちらし寿司です。

実は、一汁一菜令ではおかずとなる食材でも、

ごはんに混ぜ込んでしまえば一品として扱われました。

そこから、行事の際は寿司飯に具材を混ぜ込んだ、

ちらし寿司が食されるようになったのです。

そんな行事食として食されるちらし寿司には、

実に多くの縁起物とされる具材が使われています。

ちらし寿司の代表的な具材と、

その縁起物としての意味について、いくつか紹介します。

海老

日本では古来より、赤色には魔除けの効果があるとされています。

神社の鳥居なんかも赤いですよね?

そこから、海老は厄除けの縁起物とされるようになりました。

また、海老はその見た目から、

食べれば「腰が曲がるくらいまで長生きできる」とされ、

長寿祈願の意味も込められています。

漢字で書くと「老」という字が入るのもそのためです。

しいたけ

昔はしいたけの傘を陣笠に見立て、

武運への願いを込め、神様にお供えしました。

そこから、現代では「元気」と「健康」への願いを込め、

おせちなどにも使われる縁起物となっています。

レンコン

切ると穴が開いており、向こう側が見通せるレンコン。

そこから「先々まで見通せる」という意味を込め、

こちらもちらし寿司だけでなく、

正月のおせち料理にも縁起物としてよく使われます。

ゴボウ

ゴボウは地中深くまで、しっかりと根を張ることで知られます。

そのため、食べる人だけでなく、その人の家や仕事が、

「根強く安泰に」という願いが込められています。

と、主な具材だけでも、

ちらし寿司には多くの縁起物が使われています。

また、寿司には読んで字のごとく「寿を司る」という意味があり、

“ちらし寿司”そのものも縁起物とされています。

ひし餅の三つの色 それぞれにはこんな意味がある

ひな祭りの食事の彩りとして、

ちらし寿司と並んで欠かせないのが “ひし餅”ですね。

なんといっても赤・白・緑の三色の餅を重ねた、

華やかな見た目が特徴ですが、

それぞれの色に意味があることはご存知でしょうか?

そんなひし餅の色の意味について、紹介します。

ちらし寿司の海老の項でも紹介しましたが、

赤には魔除けの効果があるとされています。

ひし餅の赤は、実際には桃色に近いですが、

これは桃の花を見立てていると言われています。

そこから、「愛情」や「優しさ」を意味しているとも言われます。

ひし餅の白色の材料には、ヒシの実を使います。

ヒシの実は「水中の落花生」と呼ばれるほど繁殖力が強く、

そこから、ひし餅の白は「子孫繁栄」の意味をもちます。

また、ヒシの実は古来より長寿食として知られており、

ひし餅の形は「長寿祈願」の意味を込めて、

このヒシの実を模したとも言われています。

ひし餅の緑色の材料には、ヨモギが使われます。

昔はハハコグサが使われることもありましたが、

母と子をついて餅にすることは縁起が悪いとされ、

今ではヨモギを使うのが一般的です。

ヨモギは虫除けに効果があるほど香りが強く、

中国では薬の元やお灸として使われることもあります。

そこから、ヨモギの緑には、

「厄除け」や「健康祈願」の意味がこめられています。

それぞれの色の意味について紹介しましたが、

実は、ひし餅は色の順番にも大きな意味があります。

ひし餅は上から順番に赤・白・緑と重ねますよね?

これはそれぞれの色のイメージを考えるとわかりやすいです。

赤(桃色)は桃の花、白は雪、緑は新緑を表しています。

それを赤・白・緑と重ねると、

雪が解けて咲いた桃の花と、雪の下で芽吹く新芽になります。

そこから、ひし餅の色の順番は「春」を表していると言われ、

ひな祭り(桃の節句)では定番の食事となったのです。

白酒の前は桃花酒というものが飲まれていた

子どものころ「ひな祭りに白酒を飲んだ」という方は多いのでは?

実はそれ、間違った記憶かもしれません。

というのも、白酒には10%前後のアルコールが含まれており、

とても子どもが飲めるような代物ではありません。

そのため、子どものころに飲んだことがあるという方は、

見た目の似ている“甘酒”と勘違いしている可能性大です。

とはいえ、白酒も甘酒も日本では縁起のいいお酒として知られ、

ひな祭りにはどちらを飲んでもOKです。

また、ひな祭りに白酒が飲まれるようになる以前は、

“桃花酒”というお酒が飲まれていたことをご存知でしょうか?

桃花酒とはその名の通り桃の花を浮かべたお酒のことで、

その起源は中国の故事に由来します。

中国には桃の花が流れる川の水を飲めば、

長命を得ることができるという言い伝えがありました。

それが日本に伝わり、平安貴族の間で3月3日の桃の節句に、

桃の花を酒器に浮かべて飲んだのが桃花酒のはじまりです。

そのため、桃の花を浮かべれば、

どんなお酒でも桃花酒になります。

日本酒やワインに浮かべたり、甘酒に浮かべたりして、

子どもと一緒に楽しむのもいいかもしれませんね。

まとめ

ひな祭りの食事に込められている意味や、

食されるようになった由来について紹介しました。

お祝いに食されるメニューは、どれもおいしいものばかりですが、

その日に食べる理由や、食材の持つ意味を知っていると、

より風情を感じれられるでしょう。

また、それぞれの料理や食材に込められた意味を、

子どもと話しながら楽しむのもいいかもしれませんね。

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