はじめに
スキーを何度かしたことがあるビギナーだけど、
ちょっと上手くなってきたので、
『マイスキー板』が欲しいと考えている人。
いつもレンタルで済ませてきたけど、
今年こそは『マイスキー板』を買いたい!
と思っている人
お店に行っても、どの板が良いのかわからない!という人
スキー板には使う人に合った選び方があるんです。
『初めてスキー板を買う』という方に、
スキー板の選び方を紹介していきます。
目次
スキー板は滑る目的で種類が大きく分かれる
日本では、毎年、多くの種類のスキー板が発売されています。
初めてスキー板を買う人が、その中から選ぶのは大変です。
スキー板は、ゲレンデで滑るための板もあれば、レース用やモーグルやジャンプなどのテクニック用など用途によって使うスキー板は違ってきます。
そのため、スキーの板選びは、まず『自分がどんな風に滑りたいのか』
を決めることが大切です。
自分の滑りたいスタイルを決めてから、その滑り方に一番合うスキー板から
今の自分の実力に合うものを選びます。
ここでは、用途別にどんなタイプの板が向いているのか
紹介していきましょう。
オールラウンドスキー
「楽しく滑ること」を目的とした最も一般的な仕様です。
ゲレンデを滑るためのさまざまな状態に対応できます。
初中級者が滑るなら、オールラウンドスキーでいいでしょう。
センター幅が70~90㎜のものがこのタイプです。
ターンからターンへの切り替え時の操作性に優れています。
オールマウンテンスキー
ゲレンデ以外で滑る事を目的としたスキー板です。
上級者向けの板になります。
センター幅は90~130㎜とやや太めに作られているため、深雪やパウダーでも沈まずにコントロールできるように作られています。
もちろんゲレンデも滑れますが、オールラウンドの方がターンしやすいです。
フリーライドスキー
競技用の板です。一般の方でも購入は可能です。
両端が反りあがっているのが特徴で、滑る際、前向きも後ろ向きもどちらも滑りやすく、着地がしやすいように設計されています。
ジャンプ台などを使ってかっこいいトリックを決める!といった楽しみ方がしたい人にはおススメです。
レーシングスキー
こちらも競技用の板です。もちろん一般の方でも購入は可能です。
より早く滑りたい!という人のためのスキー板です。
主にタイムを競うアルペンスキーで使われます。
素早くターンできるように、センター幅が65~70㎜とオールラウンドより狭く設計されています。
一般的には、身長-(マイナス)5~10cmもしくは体重+(プラス)100cmなどと言われています。
平均して、男性で、160㎝~170㎝、女性で155㎝~165㎝くらいが一般的な長さになり
ます。
また、スキーは、板がある程度雪に沈み込んで、エッジを効かせる必要があるため、体重が重めの人は長め(浮力大)、軽い人は短め(浮力小)のスキー板が適しています。
とは言え、初心者は、基準より操作性の良いものを選ぶほうがいいと思います。
スキーを嫌にならず、安全に楽しむために、扱いやすく転んでも立ち上がりやすいものが良いですよね。
ここからちょっと難しくなりますが、
『スキー板の特性』について説明していきます。
スキー板には2つの特性があります。
『フレックス(たわみ)』と『トーション(ねじれ)』です。
それぞれについて
フレックス(たわみ)
フレックス(たわみ)とは、板の縦方向の曲げ強度です。
分かり易く言うと、スキー板がしなる柔らかさのことです。
例えば、釣り竿がしなるような力への反発がフレックスです。
フレックスが強い(しなりが少ない)…「硬い板」
フレックスが弱い(軽くしなる)…「柔らかい板」になります。
一般的に、フレックスが弱い(柔らかい)スキー板ほど、スピードが上がりにくいので、ゆっくり滑りたい方や、初心者の方におすすめです。
トーション(ねじれ)
トーションとは、スキー板の横方向のねじれ強度です。
例えば、雑巾をしぼるような力への反発がトーションです。
最近の幅の広い板では非常に重要な部分となっています。
トーションが強い(ねじれが少ない)
トーションが強い(ねじれが少ない)と、板と雪が常に接地しやすい状態になります。
雪とのグリップ力は強くなりますが、ターンの時にパワーが必要となります。
どちらかというと上級者向けの板になります。
トーションが弱い(ねじれやすい)
トーションが弱い(ねじれやすい)と、ターンが楽になる代わりに、雪とのグリップ力が弱くなります。そのため、ターン中に板がずれやすくなります。
ゆっくり滑る分には、体への負担が少なくて済むので、体重の軽い方やパワーのない方、
初心者向けの板は、トーションが弱いことが多いです。
そして、トーションだけを硬くしたり柔らかくしたりすることはなかなか出来ません。
板自体の硬さであるフレックスが大きく影響するため、フレックスが強い板は、自ずとトーションも強くなります。
レーシングスキーなどは、スピードが速いため、板が強くねじれて、相当な負担がかかり
ます。そのため、トーションが強い(ねじれが少ない)板になっています。
スキー板の「スリーサイズ」を確認しよう
それではここから
『スキー板の形状』について、説明していきます。
スリーサイズ
まずは『スリーサイズ』について
スキー板の各部位には、
つま先方向の先端部が「トップ」
真ん中の中央部分が「センター」
末端部が「テール」
という名前がつけられています。
この3つは「スリーサイズ」と呼ばれ、板の性能を見る重要な要素のひとつです。
板の幅は、トップがもっとも太く、センターで一番細くなり、テールに向かってふたたび太くなるのが一般的です。
要はスキー板のくびれ具合の数値を表しています。
サイドカーブ
次に『サイドカーブ』について
スキー板を真上から見たとき、サイドが緩いカーブを描いています。
このカーブの事を『サイドカーブ』または『サイドカット』と言います。
サイドカーブによってスキー板の種類が分かれます。
カービングスキー…サイドカーブ半径の小さいスキー板です。ゲレンデ向きで一般的なスポーツ店やレンタルで現在主流のものです。
昔のスキー板と比べて長さが短く、エッジを立てるだけでカーブがついてくるので、曲がるのが楽になりました。
ファットスキー…センター幅が通常よりも太くなったものです。新雪やパウダースノー向きです。
そしてこの『サイドカーブ』のカーブの大きさに当てはまる円の半径を
『ラディウス(R)』といいます。
R15mと表示してあれば、半径15mの円にサイドカーブがあてはまるという事です。
サイドカーブの円の半径「ラディウス(R)」と「センターのくびれ具合」で、曲りやすい回転の大小に対応しています。
この値が小さいほど小回りのターンが楽になり、大きいと大回りのターンが得意な板といえます。
これらも板の性能を見る重要な要素のひとつになります。
初心者向けは、
トップ(先端部)とテール(末端部)は太すぎず、センター(中央部分)は細すぎないものが、扱いやすいのでいいでしょう。
プロポーション(スリーサイズ)のきつくないものを選ぶことがポイントです。
また、サイドカーブのタイプはファットではなくカービングを選択しましょう。
ラディウス(R)は、同じモデルでも長さが変わるとサイドカーブも変わってきます。
同じ長さであればグラマーな形ほどサイドカーブがきつくなります。
シャープな感じがよければR13m~15m、ゆったりした感じならR15m以上がおすすめ
です。
『キャンバー』と『ロッカー』について
スキーショップなどで最近見聞きする言葉、『キャンバー』や『ロッカー』
この意味は何でしょうか?
これらは、『板に意図的につけられたたわみ』の事です。
わかりやすく言うと『板の反り』でしょうか。
キャンバー
まずは『キャンバー』について
…キャンバーとは、英語では「camber」と綴り、「上反り」という意味です。
(昔はベントと呼ばれていました。)
伝統的なスキー板の形状をしていて、平らな所に板を置くと横から見て板の中心部分が浮いているものを総称してキャンバーといいます。
キャンバーの目的は、トップからテールまでスキー板全体をまんべんなく加圧することです。板をたわませたり、板の反発力を滑りに生かします。
ロッカー
次に『ロッカー』について
…ロッカー(rocker)には、「揺りかごや揺り椅子などについている弓形の底材」という意味があります。
ロッカーは、キャンバー部分をひっくり返したような、船底のような形状のスキー板を指します。
現在、主流の形状のスキー板です。ロッカースキーはカービングスキーの一種です。
使用目的によって様々な種類のロッカー形状があり、ターンの切替えがスムーズにおこなえたり、ターンの回転性が良くなる利点があります。
そして
最近増えているのが各メーカーによって様々な呼び名がありますが、
『キャンバーロッカー』という形
「キャンバー」と「ロッカー」両者の長所を取り込んだタイプです。
足元部分にはキャンバーがついていて、トップとテール (トップだけの場合もあります)はロッカーしているものです。
これによって、雪面の状況に左右されず、スキーを動かしやすくなりました。
また、ターンも楽になりました。
これからスキーを始める初心者の方や、高齢者の方、長い間スキーをやっていなかったが、また始めたい方にオススメです。
ゲレンデ滑走でもキャンバーロッカーの方が操作性がいいという声もありますので、
気になる方は、視野に入れてみてください。
ここまでの知識で、だいぶん選択肢が絞れてきましたね。
さて、ここからいよいよスキー板購入に向けて準備をします。
今までの知識をベースにして、何度か「レンタルスキー」で滑ってみてください。
スキー板の硬さなどを確認するためには、とにかく実際に滑ってみるのが一番です。
スキー場によって用意している板は異なります。
事前に電話で聞いたり、スキー場のレンタルコーナーのウェブサイトを見たりして、
新しいモデルのスキー板をレンタルできるか確認してください。
スペックの異なる板を滑り比べてみると、
自分の滑りとスキーの相性の傾向が分かってきます。
その中で、自分に合ったスペックの板を探しましょう。
さらに
自分のスペックに合いそうな板をネットなどで事前に調べておいてもいいでしょう。
スキー用品特集などで、口コミやレビューを読んでからにしてもいいでしょう。
では次は、いよいよ店舗に足を運び、実際にスキー板を購入しましょう。
スキー板を実際に購入する前に店員さんの話を聞くのもおすすめ
スポーツをするには「良い道具を使うべき」とよく聞きますが、
スキーの場合
初心者は、高級品を買う必要はありません。
専門店などで販売されている高級品は、
「上級者向けの仕様」になっている事があるからです。
初心者向けの板の値段に関しては様々なのですが、
大体の価格が2万円~5万円ぐらいで販売されています。
初心者用にスキー板だけでなく、ストックやブーツとセット販売しているお店もあります。
店員さんに相談する時は
・自分の体形(体重・身長など)を見てもらう。
・ブーツも一緒に購入するなら、足の形をみてもらう。
・許可をいただき、実際に板に乗せてもらう。
・購入後のお手入れについても相談する。
以上を踏まえたうえで
自分が一番安心して購入できるお店を見つけるのが一番です。
メーカーの数字と自分が実際に装着した感じが違う時もあるので、
店員さんと相談しながら、決めていきましょう。
スキーのシーズンになるとスキー用品専門店もオープンするので、一度足を運んでみるのも楽しいですよ。店員さんから専門的な話もいろいろ聞けます。
専門店は、結構、不定期営業だったりするので、訪れる際には、事前に定休日や営業時間を調べておきましょう。
ひとつのお店で決めずに、量販店や専門店など2~3店舗は回ってみましょう。
スキー板は、何度も買い替えが出来るほど安くもありませんし、
一度購入すると何年も使用します。
焦って購入する必要はありません。
購入する時は慎重にしましょう。
おわりに
いかがでしたか?
スキー板ひとつでもこれだけ色々あって、難しい…。
ホントに奥が深いですよね。
レンタルは楽だけれど、自分が選んだ板で滑るスキーは楽しさも倍増です。
今年から始める方も始めようと思っていらっしゃる方も
ぜひ、この記事を参考に自分に合ったスキー板を見つけてくださいね。