サッカー 子育て

久保建英くんが プレ・ゴールデンエイジ時代に取り組んだ練習とは?

目次

プレ・ゴールデンエイジに必要な練習

バルセロナ・カンテラに入団した久保建英くんが
プレ・ゴールデンエイジと呼ばれる時代にどのような練習を練習を行っていたのでしょうか?

そもそもサッカーで、ボールをうまく運ぶには
自分の足を思うように動かせることがポイントになります。
天才サッカー少年と呼ばれる久保建英くんですが、
サッカーデビューは2歳と非常に早い時期に始めています。

サッカーを始めるのはいつ頃がいい?

では、サッカーを始めるのはいつ頃がいいのでしょうか?
「スキャモンの発育・発達曲線」によると、体の成長パターンは体の部分によって、
一般型・神経型・生殖型・リンパ型の4つに分けることができるとされています。

この中で、神経型の代表的な要素である脳や脊髄は、4歳から5歳までに成人の約80パーセント、
6歳ぐらいまでに約90パーセント程度まで発達すると言われています。
そして9歳から12歳で、運動と深い関係のある神経細胞同士が最もつながりやすい時期を迎えます。
神経細胞がつながると様々な動作が可能となり、つながった回路は元に戻らないという特徴があります。

これらの発達段階に合わせた鍛錬をすれば効果的という訳です。
育成年代をステージに分けると以下のようになります。

プレ・ゴールデンエイジ(5~8歳、幼稚園・小学校低学年)

ゴールデンエイジ(9~12歳、小学校高学年)

ポスト・ゴールデンエイジ(中学生)

インディペンデントエイジ(高校生)

プレ・ゴールデンエイジの期間は、ゴールデンエイジへの準備期間と呼ばれ、
この時期に様々な刺激を経験させることが重要とされています。

ゴールデンエイジは、新しい動きを即座に習得できる臨界期、
つまりスキルを習得しやすい期間とされており、
一番足元の技術が身につく期間です。

このことから、プレ・ゴールデンエイジの期間に大切なのは、色々な刺激を与えることです。
その後のゴールデンエイジに複雑な動きを習得できるように
ある程度自分で自分の体を動かせるようになっておく準備ができおくとよいでしょう。
この準備ができていないうちは複雑なステップはなかなか身につかないでしょう。

久保建英くんがプレ・ゴールデンエイジに行った練習

プレ・ゴールデンエイジの期間に久保建英くんは以下のような練習を行ったそうです。

1.ボールタッチ

2.サイドタッチ

3.ペロリンチョ(足裏ロール)

4.コーンドリブル

5.ボール取りっこ

6.円ドリブル

7.ワンバウンドリフティング

8.コーン当て

9.シュート

10.転がってきたボールを足の裏で止める

11.転がってきたボールをインサイドで止める

12.浮き球のコントロール(足裏)

13.ボールなしでサイドステップ、後ろ向きの走り、スキップ

14.おにごっこ

15.1対1の試合

16.マーカー拾い

この中で、「3.ペロリンチョ」はお父さんの建史さんが作った造語です。
これは、片足で立ち半身になりながら上げた方の足の裏でボールを早く運ぶ技術です。
始めたばかりの子供には難しくて、うまくいかないとすぐにやめてしまうことも多いですが、
「ペロリンチョがんばれ」とお父さんがいうと音の面白さもあり、
建英くんは続けることができたそうです。

特にこの時期の子供と練習するときは、サッカーの専門用語にこだわることなく
子供が覚えやすい言葉、理解しやすい言葉で話すようにした方がよいでしょう。

この時期は、言葉で練習方法を伝えることは非常に難しいので親が手本を見せるようにします。
大人が見本を見せることで子供が取り組む姿勢は大きく変わります。
この時期の子供は親と遊びたがることが多いでしょう。
親がやってみせて、子供も一緒になってやりたがるように仕向けます。

片足立ちがうまくできるように行った練習が
1.ボールタッチ
2.サイドタッチ
3.ペロリンチョ
13.ボールなしでサイドステップ、後ろ向きの走り、スキップ
だったそうです。

運ぶドリブルを徹底的に

建英くんが幼稚園の年代に一番時間を使って練習して遊んだのが運ぶドリブルです。
最初はうまくいかずに思った方向に進むことはできなかったそうですが、
練習を重ねるうちにある程度は思った方向に運べるようになったそうです。

運ぶドリブルでは、足の色々な場所を使ってできるようにすることを意識したそうです。
学年が上がると、1対1や2対2、3対3といった駆け引きの中で学ぶのがよいのですが、
最初の頃はコーンを使って練習するとよいでしょう。

コーンもマーカーコーンを並べたり、三角コーンを置いたり、
三角コーンを横に置いたりと工夫してみましょう。
マーカーコーンでは、細かいタッチの練習ができ、
三角コーンを横に倒して置くことで、人間の幅に近くなり
より実践に近い形で練習することができます。

足を早く動かしたいときや、新しい足の動きを練習するときはマーカーコーンで、
これをある程度できるようになり顔を上げたドリブルをして欲しい時には三角コーンを立てて置き、
人間の幅に慣れさせたい時にはコーンを横に置くなど工夫してみましょう。

「競争」で繰り返し練習を飽きさせない

これらの練習は基本練習であり、一定の基礎が身につくまでは繰り返し練習すると効果が上がります。
しかし、単純な練習ですので子供はすぐに飽きてしまいます。
そこで、お父さんの建史さんはコーンを2セット並べて建英くんとの競争形式や
リレー形式にしたりなど工夫することで飽きさせず、練習を継続させたそうです。

また運ぶドリブルは相手に取られないようにボールを運びパスすることが目的ですが、
この技術を身に付けるために「5.ボールの取りっこ」をよく練習したそうです。

【ボールの取りっこ】

ボールの取りっこは、2人で一つのボールの取り合いをする遊びです。
最初は範囲を決めずに行い、上達してきたら円などで範囲を設定して
一つのボールをドリブルして相手に取られないようにキープします。

ここでのポイントは、
相手から遠い方にボールを置くこと、
相手とボールの間に自分の体を入れること、
右から来たら左に逃げる、左から来たら右に逃げる、前から来たら後ろに逃げるといった動きができるか
ということになります。

基本は両足を使って行うことで、できればインサイド、アウトサイド両方使えるのがよいです。
サッカーの練習でも普段からよく行うものだと思いますが、
真剣に考えて取り組むととても奥が深いものです。

子どもは言葉で話したことは覚えていなくても、
体を使って経験したことはよく覚えています。
そこでボールの取りっこの基本は、以下の3点です。

・相手に対し半身で構えること

・相手とボールの間に自分の体を入れ、相手から遠い場所にボールを置きキープすること

・相手との距離をとるために片方の腕を出し、相手が近付いてこないようにすること

また、ボールの取りっこの基本姿勢で右足と左足の両方でボールをキープできるか、
右から来たら左に逃げる、左から来たら右に逃げる、前から来たら後ろ逃げるという動きができるか、
こういうことは子ども自身では気が付きにくく、親でないとなかなか気が付けません。
子どもには得意な方向と得意でない方向があるものです。
得意でない方向に運べるよう積極的に練習しましょう。

体の向きを変えるにも技術が必要です。
まず親が苦手な方向に気が付き、これを子供に伝える、
子供が自分で解決できない場合は親が教える、
親が解決できない場合は所属のコーチに解決方法を聞くようにするとよいでしょう。

【円ドリブル】

建英くんがサッカーを始めたばかりの頃よく練習していたのが円ドリブルだそうです。
円ドリブルとは、グラウンドに円状にマーカーコーンを置き、
この周りをドリブルで運ぶ練習です。
左回りでは右足の内側(インフロント)を、
右回りでは左足の内側を主に使います。
円を小さくしていくと、左回りで左足の外側(アウトサイド)を、
右回りで右足の外側を使ってドリブルすることができます。

【ワンバウンドリフティング】

その他に幼稚園時代に建英くんがよく行ったのがワンバウンドリフティングです。
小さいうちは筋力がなく、足も速く動きませんので、
ノーバウンドのリフティングはできません。
ですので、地面の力を借りてバウンドしたボールを蹴るようにしてリフティングします。

リフティングは、ボールの重さを感じながら
足のどの部分に当てればボールがまっすぐ上に上がるかを体得し、
回転さずに蹴れるかがポイントとなります。
回数は子供の励みになりますし、目安にもなりますがそれほど重要ではありません。

ボールを回転させずにまっすぐ蹴るためには
足首の角度はどれぐらいか、
左足と右足、インサイドとアウトサイドのどちらでもできるか
といったことの方が重要です。

久保建英くんは、幼稚園年少時でワンバウンドで200回位、
年長時でノーバウンド200回位、小学校1年生で1,000回以上できたそうです!
ただ、これ以降は回数にこだわりを持った練習はやらなかったそうです。
この頃にはボールを芯でとらえることができていたことと、
1,000回にもなると15分以上かかり、他の練習ができなくなるという理由からだそうです。

久保建英くんのお父さんである久保建史さんが、
バルセロナ・カンテラに入団した建英くんへの教育方法、サッカー指導法をまとめた本です。
サッカーをしているお子さんをお持ちの親御さんにおススメの内容です。

-サッカー, 子育て
-,

© 2023 4father