オプション取引 資産形成

オプション取引の基礎知識・用語や種類など

目次

オプション取引とは?

オプションはデリバティブの一種

オプションとはデリバティブ(金融派生商品)の1種です。
デリバティブとは、
「基礎となる商品(原資産)の変数の値(市場価値あるいは指標)によって、
相対的にその価値が定められるような金融商品」のことです。

オプションは、株式や商品(飼育牛、赤身豚、小麦など)の原資産を、
あらかじめ定められた期日までに、あらかじめ定められた価格で売買する権利のことです。
「将来の一定の期日に、今の時点で取り決めた価格で特定の商品を取引できる」権利です。

オプションで売買するのはあくまで「権利」

オプション取引で売買するのはあくまで権利という点がポイントになります。
「権利」ですから、権利を行使しなくてよい場合は、行使しなくてかまいません。

余談になりますが、オプション取引はすでに17世紀のオランダで、
チューリップの球根に対して活発に行われていたそうです。

さらにさかのぼると、世界最初のオプション取引の形は、
旧約聖書創世記第29章の「ヤコブの結婚」という節に登場します。
その節で、ラバンに「お前は身内のものだからといってただで働くことはない。
どんな報酬が欲しいか言ってみなさい」と言われたヤコブは、
「下の娘のラケルをくださるなら、私は7年間あなたのところで働きますと言っています。
これは結婚しなくてもよい契約なので、人類史上最初のオプション取引と言われています。

発達しているアメリカのオプション市場

オプション取引の本場はアメリカ

現在のような形のオプション取引は、1980年以上アメリカを中心に急激に発達しました。
現在アメリカでは、個別銘柄やさまざまな上場投資信託(ETF)、指数あるいは先物を原資産とする
3000以上のオプションがあり、透明性、流動性、自由度のすべてにおいて世界最高の投資環境が整っています。
日本でもオプション市場はありますが、まだまだアメリカ市場の充実度には敵わないのが実情です。

アメリカ市場は、東部時間の9:30~16:00まで開かれています。
日本時間に直すと、夏時間では22:30~5:00まで、冬時間では23:30~6:00までです。
日中仕事をしているサラリーマンや主婦にとっては夜間取引できるので、
日本市場よりもむしろ取引しやすいと言えるかもしれませんね。

オプションの種類

オプションのポジション

オプション取引は、信用取引の一種でもあります。
そのため株式投資などと違って、買いから入るのではなく、売りから入ることもできます。
オプション取引では、「買いから入るポジション」と「売りから入るポジション」を
区別するために次のような表現を使います。

ロング(Long)

「買い建て」のオプションを保有していることを、
「ロング・ポジションを取る」といいます。
また、買い建てることを「ロングする」と表現することもあります。

ショート(Short)

「売り建て」のオプションを保有していることを、
「ショート・ポジションを取る」といいます。
また、売り建てることを「ショートする」と表現することもあります。

また、それぞれのポジションを取っている人のことを次のように表現します。

ホルダー(Holder)

オプションを買って、保有している人のことです。
つまり、買い建て(ロング)のポジションを取っている人のことを指します。
自分にとって有利な時にオプションの権利を行使できます。

ライター(Writer)

オプションを売った人のことです。
つまり、売り立て(ショート)のポジションを取っている人のことを指します。
ホルダーがオプションの権利を行使した場合、ライターはそれに応える義務があります。

コール・オプションとプット・オプション

オプションは、「特定の満期(まで)に、オプションの権利行使の対象と
なる原資産(株式など)を特定の権利行使価格で売買する権利」です。
そのため、それが「買う権利」なのか「売る権利」なのかで
「コール・オプション」と「プット・オプション」の2種類があります。
単に「コール」、「プット」と表記されることもあります。

コールは「買う権利」

コールは特定の満期(まで)に、オプションの権利行使の対象となる原資産(株式など)を
特定の権利行使価格で買う権利です。
例えば、「3か月先にA社の株式を100ドルで買う権利」などを売買する訳です。
「100ドルで買う権利」を「100コール」と表現することがあります。
コールの買い手(ホルダー)は、代金を支払ってこの権利を得ます。
この代金(価格)のことをプレミアムと言います。

一方、プレミアムを受け取ってこの権利を売るのが、コールの売り手(ライター)です。
つまり、コールのホルダーは自分にとって有利な時に株式を買う権利を行使できます。
コールのライターは、自分にとって不利な時に株式を売らなければいけません。
株式を持っていなければ株式を空売りすることになります。

プットは「売る権利」

プットは、特定の満期(まで)に、原資産を特定の権利行使価格で売る権利です。
例えば、「3か月先にA社の株式を100ドルで売る権利」などを売買する訳です。
「100ドルで売る権利」を「100プット」と表現することがあります。
プットの買い手(ホルダー)は、プレミアムを支払ってこの権利を得ます。

一方、プレミアムを受け取ってこの権利を売るのがプットの売り手(ライター)です。
つまり、プットのホルダーは自分にとって有利な時に「売る権利」を行使できます。
プットのライターは、自分にとって不利な時に株式を買わなければいけません。

アメリカン・タイプとヨーロピアン・タイプ

オプションは「特定の満期(まで)に原資産(株式など)を売買する権利」ですが、
この権利を行使できる日の違いによっても、2つのタイプに分けられます。
これがアメリカン・タイプとヨーロピアン・タイプです。

アメリカン・タイプ

満期日までのいずれのときにも権利行使することができます。

ヨーロピアン・タイプ

満期日にしか権利を行使できません。

先物オプションと証券オプション

原資産によって様々なオプションがある

オプションは「権利行使の対象となる原資産を売買する権利」ですが、
この原資産が何かによって、先物オプションと証券オプションの2つに大きく分けられます。

先物オプション

様々な先物(指数、債券、通貨、商品など)を原資産とするオプションです。

証券オプション

個別株を原資産とする株式オプション、上場投資信託(ETF)を原資産とするETFオプション、
株価指数などの指数を原資産とする指数オプションなどがあります。

アメリカ市場の株式オプションは約3000の銘柄に対して取引可能です。
上場投資信託(ETF)に対してもほとんどすべてに対してオプションがあります。
株式オプション、ETFオプションともに、満期日は通常第3金曜日です。
(この他にウィークリー・オプションもあります)

満期日までのいつでも権利行使できるアメリカン・タイプとなっています。
権利行使後の取引は現物決済です。
つまり、現物株式やETFの受け渡しになります。

オプション1枚で権利のおよぶ原資産の数量(コントラクト・サイズ)は100です。
つまり、実際の取引ではオプション1枚に対して株式100株が対応します。

指数オプション

株価指数を原資産とするオプションが、指数オプションです。
具体的には、S&P 500指数オプション(SPX)、S&P 100指数オプション(OEX)、
Russell 2000指数オプション(RUT)、NASDAQ 100指数オプション(NDX)などがあります。

指数オプションはほとんどが満期日にしか権利を行使できないヨーロピアン・タイプです。
注意すべきことは、最終取引日は満期日の前営業日(通常は第3木曜日)であることです。
満期日(通常は第3金曜日)には取引できません。
(この他に満期日が毎週金曜日のウィークリー・オプションもあります)

また、原資産が株価指数という実体のないものであるため、
権利行使にあたって現物で決済することは不可能です。
そのため権利行使は差金決済になります。
オプション1枚で権利のおよぶ原資産の数量(コントラクト・サイズ)は
原資産により異なりますが、ほとんどが100です。

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